「地震多い国 ない国 ランキング」というキーワードが気になっているあなたは、地震が少ない国への移住や旅行を検討をしたことはないでしょうか。地震がない国はなぜ少ないのか、その特徴について理解を深めたいと思っているかもしれません。また、日本で地震が多いのは世界で何位なのか、自然災害が多い国や少ない国はどこなのかも気になりますよね。さらに、世界一地震が強かった国はどこで、世界三大地震とは何を指すのかなど、地震に関するさまざまな疑問をお持ちかもしれません。この記事は、そうしたあなたの疑問を解決するために、地震が多い国と少ない国の共通点から、防災の備えまでを網羅的に解説しています。
知っておきたい地震多い国と少ない国ランキング
以下では、地震の多い国と少ない国に関するランキングや、地震のメカニズムについて解説します。
世界の地震の多い国ランキング
世界の地震の多い国は、主にプレートの境界に位置しています。国際機関の統計をもとに算出されたデータによると、被害額が100万ドル以上、死者10人以上、マグニチュード7.5以上、もしくは津波を伴ういずれかの条件を満たした地震の観測回数が多いランキングは以下の通りです。
主要地震の発生件数ランキング(1990年~2024年)
順位 | 国名 | 主要地震の発生件数 |
1 | 中国 | 186 |
2 | インドネシア | 166 |
3 | イラン | 109 |
4 | 日本 | 98 |
5 | アメリカ合衆国 | 78 |
6 | トルコ | 62 |
7 | インド | 58 |
8 | フィリピン | 55 |
出典:NOAA(2024年1月2日時点の推計)
このように、中国が1位であることは、国土の広さや内陸部でも大きな地震が起こりやすい地形的要因が関係していると考えられます。また、インドネシアは環太平洋火山帯に属し、火山活動や海溝型地震が頻繁に起こるため2位となっています。そして、トルコやイランといった複数のプレートが交わる地域でも、マグニチュードの大きい地震がたびたび発生しているのです。
日本で地震が多いのは世界で何位?
日本は、地震の発生頻度で世界第4位に位置しています。これは、日本列島がユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートという4つのプレートが複雑にせめぎ合う場所に位置しているためです。このため、比較的小さな国土面積であるにもかかわらず、たびたび大きな地震に見舞われてきました。
前述の通り、日本は地震の発生回数が多いため、その分、建築物の耐震技術や建築基準が世界でもトップレベルに発達しています。これにより、地震発生回数の多さのわりに被害を抑制している側面があることは事実です。しかし、津波や火災といった二次災害のリスクを考慮すると、決して油断はできません。
自然災害が多い国ランキング
地震の発生件数だけでなく、台風や洪水、干ばつなどを含めた自然災害全体で見ると、どの国が危険なのでしょうか。国連大学のグローバルリスクレポートなどを参考にすると、自然災害が多い国は、日本、台湾、フィリピン、インドネシアなどが挙げられます。これらの国は、地震だけでなく、台風や豪雨による洪水や土砂災害も頻繁に発生しているのが特徴です。
地震が多い国に共通する特徴
地震が多い国は、主にプレートの境界に位置しているという共通点があります。地球の表面は「プレート」と呼ばれる固い岩盤の層で覆われており、これらは常に少しずつ動いています。プレートがぶつかり合ったり、すれ違ったりする場所は「プレート境界」と呼ばれ、地震が多発しやすいのです。日本のように複数のプレートが交差する地点にある国は、プレート同士が複雑に干渉し合うため、地震が頻繁に起こります。
また、プレートの境界以外にも、プレート内部の岩盤に亀裂が入って地層にずれが生じる「活断層」沿いでも地震が起こります。日本には多くの活断層が存在しており、これが地震発生のもう一つの大きな要因となっています。
世界一地震が強かった国はどこですか?
観測史上、世界一地震が強かった国はチリです。気象庁の資料によると、1960年5月23日にチリで発生した地震は、マグニチュード9.5を記録しました。この巨大地震による津波は、発生から22時間後に約17,000km離れた日本にも到達し、甚大な被害をもたらしています。津波の平均時速は750kmと、場所によってはジェット機並の速度に達することがあったとされています。
この事例からもわかるように、たとえ地震の直接的な被害を受けなくても、津波によって遠く離れた地域でも被害が発生する可能性があります。
世界三大地震とは?
「世界三大地震」という明確な定義はありません。しかし、一般的にはマグニチュード(規模)が特に大きい地震として、以下の3つが挙げられることが多いです。
マグニチュードが大きい地震
- 1960年 チリ地震(マグニチュード9.5)
- 1964年 アラスカ地震(マグニチュード9.2)
- 2004年 スマトラ島沖地震(マグニチュード9.1)
これらの地震は、地震計の観測が始まって以降、特に規模の大きな地震として知られています。中でも2004年のスマトラ島沖地震は、津波によってインド洋沿岸の広い範囲で甚大な被害をもたらしました。
移住先選びの参考に!地震が多い国と少ない国ランキング
以下では、地震の少ない国や、地震が少ない国への移住について解説します。
地震が少ない国に共通する特徴
地震が少ない国は、主にプレートの境界から離れているという特徴があります。プレートの動きが活発な境界から遠い場所に位置しているため、プレート同士の衝突やずれによる地震が起こりにくいのです。
たとえば、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどは、地質学的に安定した地域に位置しており、地震のリスクが極めて低い国として知られています。また、ノルウェーやフィンランド、ドイツ、フランスなども、ユーラシアプレートの安定した内陸部に位置しているため、地震が少ない傾向にあります。
自然災害が少ない国ランキング
自然災害の少なさを基準に国を選ぶ場合、地震だけでなく、台風、洪水、干ばつなどのリスクも考慮することが大切です。ミュンヘン再保険が公開しているワールドハザードマップなどを参考にすると、自然災害が少ない国は北欧や中東に多く見られます。具体的には、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンといった北欧諸国、そしてカタールやアラブ首長国連邦などが挙げられます。これらの国では、気候が比較的安定しており、大規模な自然災害が起こることは稀です。
地震がない国はなぜ少ないのか
地震がない国が少ないのは、地球の表面が複数のプレートに覆われているためです。これらのプレートは絶えず動いており、地球のほとんどの地域が何らかのプレートの動きや影響を受けています。そのため、完全に地震が起こらないという場所はほとんどありません。
たとえプレートの境界から遠く離れていても、ごく稀に活断層の活動や、遠方で発生した大地震の影響を受けることもあります。したがって、地震が「全くない」という国は存在せず、あくまで「地震が少ない」国として認識しておくことが大切です。
地震がない国への移住は本当に安心?
地震が少ない国への移住は、確かに地震のリスクを減らすことにつながります。しかし、地震以外のリスクも考慮しなければなりません。たとえば、地震が少ない国でも、台風や洪水、土砂災害が頻発する場合があります。また、気候や文化、言語の違い、さらには治安や衛生面といった生活上の課題も考慮に入れる必要があります。
たとえば、アルメニアという国では、地震の発生回数は年平均0.05回と少ないにもかかわらず、耐震設計を満たしていない住宅が多かったために、過去に多くの死者を出した事例があります。このように、地震の発生頻度が低いからといって、必ずしも安全が保証されるわけではありません。移住先を選ぶ際には、地震の発生頻度はあくまで一つの要素として考え、総合的に判断することが大切です。
地震から身を守るための防災対策
地震が多い国である日本では、日頃からの備えが不可欠です。地震による被害を最小限に抑えるため、以下の防災対策を講じておくことが重要です。
ライフラインの停止に備える
地震が発生すると、電気・ガス・水道といったライフラインが停止する可能性があります。特に停電は、情報収集や通信手段の確保に大きな影響を及ぼします。そのため、懐中電灯や携帯ラジオ、モバイルバッテリーなどを準備しておくことが大切です。また、ポータブル電源や蓄電池を用意しておくと、長期間の停電でもスマートフォンや冷蔵庫、電気毛布などの家電を動かすことができ、生活の質を保つことにつながります。
家具の転倒・落下を防ぐ
地震の際に、家具や家電が転倒・落下することで怪我をするリスクがあります。背の高い家具は、L字金具や突っ張り棒などを使ってしっかりと固定してください。寝室の家具配置を見直し、安全な就寝スペースを確保することも重要です。
家族との安否確認方法を決めておく
災害時は電話回線が混雑し、連絡が取りにくくなることがあります。あらかじめ家族間で災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板などの安否確認方法を共有しておくことが大切です。また、集合場所を決めておくことも、スムーズな合流につながります。
地震が多い国と少ない国ランキングのまとめ
この記事では、地震が多い国と少ない国のランキング、そしてそれぞれの特徴について解説しました。ここでは、記事の重要なポイントをまとめています。
- 日本は地震の発生頻度で世界4位である
- 地震が多い国はプレートの境界に位置している
- 地震が少ない国はプレートの境界から遠い内陸部にある
- 世界で最も強かった地震はチリで起きた
- 地震が少ない国でも他の自然災害のリスクがある
- 地震の発生頻度だけで移住先を決めるのは危険である
- 南海トラフ地震のリスクが高い地域がある
- 地震による被害は津波や火災など多岐にわたる
- 耐震技術や防災意識は国によって差がある
- 防災グッズや非常食の備蓄は不可欠である
- 停電に備えてポータブル電源の備えが有効である
- 災害用伝言板など携帯以外の安否確認方法も有効である
- ハザードマップで安全な場所を把握することが大切である
- 建物の耐震化や地震保険への加入も検討するべきである
- 地震が多い国と少ない国ランキングから、防災の備えを今一度見直すことが大切です